すべての理不尽はすべて当人の能力不足

 力さえあれば、死ななかった、傷つかなかった。

 

生きている人間には、力すらない者には、罪はない。けど、消えたくないのなら、

力を求めて、努力するしかない。

 例えば、交通事故に遭った人間の友達なら、力を欲する必要などない。なぜなら、

その友達は未だに、生きているから。

では、死んだ人間は?、その人間が生きたいと、死にたくなかったと、死ぬのが怖いと、思うなら、強くなるしない。強くない者は死ぬしかない。すべては、世界のせい。

言い換えると、この世界に生まれてしまったその人間のせい。

 交通事故のない世界に産まれていたら、もっと良い世界にいたなら。

車にひかれても死なない人間なら、交通事故に遭うことを予知できていたら、

もっと運が良ければ。誰かが助けてくれたら。

 わたしが誰よりも、どんなものよりも強ければ。死なずにすんだのに。

もっと強ければ、幸せに、今も生きていたのかもしれないね。

 

 もしも、わたしが死んで、生まれ変わって、わたしの人生を振り返るなら、

わたしの命も時間も、すべて必要のないものだったなと思う。

 一年を振り返ると、今年も、二度と経験したくない事ばかりだなと思う。

思い出したくもない、記憶ばかり。

 私は、私の記憶も世界も心臓も、腕も肉体も、すべて消してほしい。

叶うなら、存在を無かったことにしてほしい。そう思わずにはいられない。